小 西 行 郎

(こにし ゆくお)

 小西行郎先生は、1947108日に香川県でお生まれになり、高松高校を卒業されるまでを過ごされました。

 1968年、京都大学医学部医学科に入学、1974年に専門課程を卒業され、同大学付属病院未熟児センターの助手となりました。その後、1983年より、福井医科大学小児科講師、1988年には同大学の助教授となり、19907月より1年間あまりを当時の文部省の在外研究員としてオランダ、フローニンゲン大学に留学され、発達神経学の父として知られているプレヒテル先生のもとで発達行動学を学ばれました。このことがのちの赤ちゃん学として発展したことは、ベビーサイエンス14号の、プレヒテル先生に向けた小西先生の追悼文に示されています。

 そして帰国後、しばらく福井医大でさらにご研究と診療を続けられ、1999年に埼玉医科大学小児科学教室の教授となられ、200110月、アップリカの寄附講座として東京女子医科大学に乳児行動発達学講座を開設し、教授となられました。

 また同じ年に、赤ちゃんをまるごと考える、異分野研究の融合による新しい学問領域としての赤ちゃん学を旗印に「日本赤ちゃん学会」を岡戸信男先生、小林登先生とともに創設しました。2005年まで事務局長を務め、その後、理事長として学会を導いてくださいました。

 そして200810月に同志社大学に移り、「赤ちゃん学」を冠とする研究センター、赤ちゃん学研究センターを開設。亡くなられるまで、センター長を務められました。

 また20134月から20173月まで、兵庫県立リハビリテーション中央病院子どもの睡眠と発達医療センターのセンター長も務められ、睡眠と発達の関係を明らかにすることにも強い思いを抱かれてました。

 2017101日より理化学研究所のユニットリーダーも兼任されながら、胎児から乳幼児につながる変化の連続を紐解きたいと、病室でも衰えぬ気持ちでさまざまに構想されておられましたが、201995日、帰らぬ人となられました。

プロフィール

履歴

年月事項
1966年(昭和41年)3月香川県立高松高等学校 卒業
1968年(昭和43年)4月京都大学医学部医学科進学課程 入学
1970年(昭和45年)3月京都大学医学部医学科進学課程 修了
1970年(昭和45年)4月京都大学医学部医学科専門課程 進学
1974年(昭和49年)3月京都大学医学部医学科専門課程 卒業
1974年(昭和49年)7月京都大学医学部附属病院小児科研修医
1975年(昭和50年)7月福井赤十字病院小児科医員
1977年(昭和52年)9月京都大学医学部附属病院小児科医員
1980年(昭和55年)8月京都大学医学部附属病院未熟児センター助手
1983年(昭和58年)4月福井医科大学医学部附属病院小児科講師
1988年(昭和63年)6月福井医科大学医学部小児科学助教授
1990年(平成2年)7月 ~1991年(平成3年)5月文部省在外研究員としてオランダ・フローニンゲン大学に留学
1999年(平成11年)4月埼玉医科大学小児科学教授
2001年(平成13年)10月東京女子医科大学 乳児行動発達学講座 特任教授
2008年(平成20年)10月同志社大学 大学院心理学研究科 赤ちゃん学研究センター センター長/教授
2013年(平成25年)4月兵庫県立リハビリテーション中央病院 子どもの睡眠と発達医療センター センター長
2016年(平成28年)4月同志社大学 研究開発推進機構 教授
赤ちゃん学研究センター センター長
2017年(平成29年)4月兵庫県立リハビリテーション中央病院 子どもの睡眠と発達医療センター 参与
赤ちゃん
プロフィール

所属学会並びに学会及び社会における主な活動 等

年月事項
1980年(昭和55年)6月日本小児神経学会 認定医、正会員
1981年(昭和56年)5月日本未熟児新生児学会 正会員
1983年(昭和58年)7月日本新生児学会 正会員
1985年(昭和60年)10月日本てんかん学会 正会員
1986年(昭和61年)6月日本小児神経学会 評議員
1991年(平成3年)2月国際小児神経学会 正会員
1995年(平成7年)11月日本未熟児新生児学会 評議員
2001年(平成13年)4月日本赤ちゃん学会 理事、事務局長
2002年(平成14年)4月環境省国立水俣病総合研究センター
メチル水銀の低濃度曝露による胎児健康影響に関する調査研究企画推進委員会 委員
2002年(平成14年)6月日本小児神経学会 評議員、理事、編集委員長
2003年(平成15年)7月地域における相談支援体制の整備のためのガイドライン策定に係る協力者
2004年(平成16年)4月独立行政法人科学技術振興機構 社会技術研究システム ミッションプログラムⅢ
「日本における子どもの認知・行動発達に影響を与える要因の解明」研究統括補佐
2005年(平成17年)7月~日本赤ちゃん学会 理事長
2005年(平成17年)5月千代田区次世代育成支援推進会議 委員
2006年(平成18年)1月~独立行政法人日本学術振興会 科学研究費委員会 専門委員
2006年(平成18年)7月港区男女平等参画推進会議 委員
2006年(平成18年)8月~日本学術会議 連携会員
2007年(平成19年)4月お茶の水女子大学人間文化創成科学研究科 客員教授
2008年(平成20年)1月日本未熟児新生児学会 評議員
2009年(平成21年)7月木津川市子育て支援対策協議会 委員
2010年(平成22年)3月~環境省「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」
京都ユニットセンター 副センター長
2017年(平成29年)10月~国立研究開発法人理化学研究所
科学技術ハブ推進本部医科学イノベーションハブ推進プログラム
健康医療データ多層統合プラットフォーム推進グループ
発達障害データ多層総合ユニット ユニットリーダー(非常勤)
赤ちゃん